スクロール型ドライ真空ポンプとは、コンパクトで高真空、低振動、低騒音、省エネの利点を持つ接ガス部に油を使用しないため幅広い用途で使用されている真空ポンプです。構造や排気のメカニズムをはじめ、スクロール型の真空ポンプを使用するメリットやおすすめの使用環境・使用用途について、わかりやすくまとめました。
2種類のスクロールを使って稼働
スクロール型ドライ真空ポンプの構造は2つのスクロールが重なり、一方のスクロールが旋回運動をすることで外側から内側へ空気を圧縮、排出することで真空を作り出す構造となっております。
省エネかつ効果的に作業できる
スクロール型ドライ真空ポンプは、一般的な真空ポンプに比べ運動量が少ないため低振動且つ低騒音な機種です。到達圧力は機種によって違いはありますが1Paまで引くことができるタイプもございます。
またスクロール型ドライ真空ポンプは接触型の真空ポンプのため比重の軽いガスにも対応ができることから、ヘリウムを用いた漏れ検査装置や残ガス回収の用途にも使用される真空ポンプです。
スクロール型ドライ真空ポンプは、おもに以下の作業シーンでよく利用されています。
スクロール型真空ドライ真空ポンプは、油を使わない真空ポンプのなかでは比較的高真空な状態をつくることができます。
そのため、ターボ分子ポンプ作動前のあらびき用として使用されることも多い真空ポンプです。
オイルミストの排出がないので、よりクリーンな環境で作業をしなければならない理化学・研究施設やデリケートな用途で使用されている真空ポンプです。
利便性も高く、リーズナブルに購入できる真空ポンプなので汎用性に優れた機種と言えるでしょう。
現代の飛行機・航空機業界では、機体の軽量化と安全性の確保といった両方のニーズの共存が求められており、軽量かつ丈夫な製品や素材を用いた航空機製造が行われています。
ドライ真空ポンプはそのような飛行機の外装素材として使われるFRP(繊維強化プラスチック)をリペアする上で、真空処理工程を行うために必要です。
FRPの内部に気泡が残存していると、結果的に表面上は問題がなくとも機体の破損リスクが高まり深刻な事故につながりかねません。そこでドライ真空ポンプを使ってしっかりと脱気することにより、製品の品質を向上させられます。
また昨今の企業の社会的責任として求められる環境への配慮といった観点から、オイルフリーのドライ真空ポンプに対するニーズも高まっています。
スクロール型ドライ真空ポンプを多く取り扱っており、大きなサイズから小型装置に組み込めるものまで豊富なラインナップを展開しているメーカーです。用途に合わせてカスタマイズも行なえるほか、海外電圧に対応可能な機種もあり、使用環境に合ったドライ真空ポンプを導入したい方におすすめ。アフターフォロー体制も万全で、故障による製造への影響を抑えることができます。
スクロール型ドライ真空ポンプをはじめ、多種多様な真空ポンプを開発しているメーカーです。スクロール型ドライ真空ポンプとしてはDISシリーズを展開しており、大排気量でコンパクトサイズなのが特徴。また、エアーフラッシュによって、ポンプ内に水分が凝縮するのを防ぐ仕様になっています。真空ポンプのメンテナンスサービスも整っており、豊富な実績と経験で安定した稼働をサポートしてもらえます。
真空ポンプの静音・長寿命化を実現しており、幅広い業界で導入されているメーカーです。また、真空ポンプメーカーで最初にインバータ制御のオイルフリー真空ポンプを開発した実績あり。オリオン機械のスクロール型真空ポンプはオイルフリーなのが特徴で、フルレンジでの連続運転が可能。コンパクト設計のため、各種装置の真空源として活用できます。