ドライ真空ポンプは腐食性ガスへの耐性が求められる場面で活躍します。この記事では、腐食性ガスの特徴や発生場所、種類に触れつつ、対応するドライ真空ポンプの事例をご紹介します。
硫化水素、亜硝酸、アンモニアなど、物質を腐食させるガスを「腐食性ガス」と言います。腐食性ガスが大量に発生する環境下では機械も急速に劣化していくため、故障が多発します。「特に昨今の精密なIT機械は腐食性ガスに弱いため、設備のシステムそのものが故障して業務が滞ってしまうというケースも存在します。
腐食性ガスは目に見えず、発生の予兆を見つけるのは困難です。しかし排水を流した下水道、化学薬品を取り扱う工場などで発生する可能性が高いとされています。また温泉地や火山帯など、自然界でも発生する場所があり、それらの場所では注意が必要です。
腐食性ガスのうち、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。
| 腐食性ガス | 腐食性 |
|---|---|
| 硫化水素(H₂S) | 無色で腐卵臭をもつ有毒ガス。水に溶けると弱酸性を示し、金属を腐食させる。 |
| 亜硝酸(HNO₂) | 不安定な弱酸で、分解により有毒な二酸化窒素を生じ、腐食を促進する。 |
| 二酸化硫黄(SO2) | 刺激臭のある無色ガス。水と反応して亜硫酸を生成し酸性化。 |
| 塩素(Cl2) | 黄緑色で強い刺激臭をもつ有毒ガス。強力な酸化作用をもつ。 |
| アンモニア(NH3) | 銅や銅合金に対して応力腐食割れを引き起こす。湿度によって腐食性が変化。 |
「PK110G」は水分や腐食性ガスを処理するのに適した空冷式ドライ真空ポンプです。従来の機体に比べ、性能を上げつつ高い静音性を実現しており、ポンプ特有の騒音を気にせず使えます。また6年に一度のメンテナンスサイクルに対応しており、高いメンテナンス性を誇ります。
参照元:ヤマト科学株式会社(https://www.yamato-net.co.jp/product/show/pk110g/)
「SDV-Rシリーズ」は大晃機械工業製のスクリュー式ドライ真空ポンプです。「SDVシリーズ」を改良し、より使いやすく、よりマルチな用途で使用できるようになっています。価格を抑えながらも、ギヤをはじめとするパーツの耐久性を高め、長く使えるよう設計された製品です。
参照元:製造業向け情報検索サイト イプロスものづくり(https://mono.ipros.com/product/detail/2000628943/)
「YKS製VP型真空ポンプ」はYKS(四葉機械製作所)製のドライルーツ式真空ポンプです。ルーツ式とは2つの回転ローターで気体を輸送・排気する方式の真空ポンプで、オイルフリー構造が特徴です。YKS製VP型真空ポンプは独自の冷却方式を組み込み、腐食性ガスをより効率的に処理できる開発がされています。
「MD/MZ/Chemkerシリーズ」は有機溶媒系ガスや腐食性ガスの吸引に高い耐食性を発揮するドライ真空ポンプです。ダイアフラム型は横隔膜のように膜を往復運動させて気体を吸入する機構で、小型で静音な反面、吸引力が弱いというデメリットがあります。しかし「MD/MZ/Chemkerシリーズ」はダイアフラム式では200Paおよび700Paを達成し、高い吸引力を誇ります。またシンプルな構造を採用し、オイルを使わないため使いやすく、メンテナンスが容易となっています。
参照元:佐藤真空株式会社(https://www.satovac.co.jp/products/vacuumpumps/dd/index.html)
機械の天敵である腐食性ガスの処理にドライ真空ポンプは高い効果を発揮します。快適で安心できる環境を維持するためにも、ドライ真空ポンプの導入の検討をおすすめします。以下の記事でドライ真空ポンプについて詳しく説明しています。