ドライ真空ポンプには1段式と2段式の2種類があります。それぞれ性能や原理が異なるため、使いこなすためには種類ごとの違いを知り、自社にとってより役立つ方を選ばなければなりません。このページではドライ真空ポンプの1段式と2段式の違いと、それぞれの製品事例についてご紹介します。
ドライ真空ポンプにおける1段式と2段式の基本的な違いは、ポンプ室のつなぎ方にあります。1段式は2つのポンプ室が並列につながれており、2段式は2組のつなぎ方が直列です。またポンプ室が1つしかないものもありますが、この場合は1段式となります。
到達圧力においては1段式の方が高くなります。ドライ真空ポンプの能力をはかる上で必要となる値であるのが到達圧力です。数値が高い方が、より真空状態に近づけられるということになります。もし高いものを求めているようであれば、1段式を導入するのが適しているでしょう。
排気速度においても違いが生じます。排気速度がより大きいのは1段式で、2段式においては小さくなります。排気速度は到達圧力とともに、ドライ真空ポンプの性能を決めるための要素のひとつです。数値が大きいほど真空になるまでの速度が早くなるため、1段式の方がより早く、完全な真空状態に近づけられるということになります。
1段式のドライポンプです。圧力ゲージがついているため真空度を簡単に確認できるだけでなく、リークバルブによる真空度調節ができることが特徴と言えます。またオイルフリーのためコンタミネーションの不安がなく、PTEE塗装採用による耐食性の高さも魅力です。
参照元:AXEL HP
(https://axel.as-1.co.jp/asone/d/3-6719-01/)
こちらも1段式です。低価格なスタンダードモデルであり、初めてドライ真空ポンプを導入したいと考えた際にも適しています。サーマルプロテクターが内蔵されているため危険性が低く、大気圧からの作動もできます。シンプルな構造であるため、メンテナンスにも労を要しません。
参照元:ULVAC HP
(https://showcase.ulvac.co.jp/ja/products/vacuum-pump/diaphragm-type-vacuum-pump/da-dap-dat-1stage/)
リークバルブと圧力ゲージつきで、真空度の調節と確認が可能であるモデルの2段式タイプです。ロータリーエバポレーターやクロマトグラムの真空を行う用途に適しています。同じシリーズにて1段式もありますが、2段式でも排気量は変わりません。
参照元:AXEL HP
(https://axel.as-1.co.jp/asone/d/3-6719-02/)
小型・低騒音で、省エネ性能が高いのが特徴のドライ真空ポンプです。配管が内蔵されているタイプで、型式は4種類あります。型式によりサイズや重量が異なるため、用途に応じて適したものを選べるでしょう。
ドライ真空ポンプには1段式、2段式と種類により違いがあります。到達圧力と排気速度は1段式のほうが優れていると言えますが、選ぶうえで大切なことは、それぞれの用途に合わせて選ぶことです。目的を考え、どちらのタイプが適しているのかを考慮してから選ぶと失敗がないでしょう。
当サイトではこれからドライ真空ポンプを導入したいと考えた際に役立つ、メーカーの比較記事や選び方のコツなどの情報を掲載しています。選び方に迷ったとき、導入するべきかどうか迷ったときに役立つ記事なので、ぜひ参考にして納得のいくドライ真空ポンプ選びを進めてください。