クリーンルーム対応のドライ真空ポンプ

クリーンルームでは、ドライ真空ポンプが多様な用途で使用されています。本記事では、クリーンルームにおけるドライ真空ポンプの主な用途や、導入時の注意点について解説します。

クリーンルームにおけるドライ真空ポンプの用途

ドライ真空ポンプは、食品工場や半導体工場などのクリーンルームで用いられています。主な用途は、以下のとおりです。

  • 異物の混入を防ぎながら、食品を真空状態で包装する
  • 製造ラインで物品を固定しつつ運搬する
  • 異物の混入を防ぎながら、原材料を金型に吸着させる

クリーンルームで用いられている理由は、以下の特徴を備えているためと考えられます。

  • 油煙による汚染の心配がない
  • オイル交換による室内汚染の心配がない
  • メンテナンスに手間がかかりにくい

クリーンルームでは、肉眼では確認できない微細な異物も問題となる場合があります。このため、オイルを使用せず、清浄度やメンテナンス性に配慮されたドライ真空ポンプが多く用いられています。

クリーンルームでドライ真空ポンプを使用する際の注意点

騒音・振動

ドライ真空ポンプは、運転時に一定の騒音や振動を伴う場合があります。クリーンルームでは、精密機器が多く設置されているため、こうした振動や音が装置に悪影響を与えるおそれがあります。また、作業者にとっても騒音はストレスの原因となるため、快適な作業環境を保つうえで対策は必要です。

ドライ真空ポンプにはいくつかの種類があり、機種によって騒音や振動の大きさが異なります。使用する環境や周辺機器への影響を考慮し、静音性や振動の少ないタイプを選定することが重要です。たとえば、スクロール型のドライ真空ポンプは、比較的静かに運転できる傾向があり、クリーンルームへの導入に適した選択肢といえるでしょう。

ドライ真空ポンプの騒音・振動対策については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。

メンテナンス

ドライ真空ポンプも、長期間にわたって安定して使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。点検や部品の交換作業にともない、微細な異物が発生する可能性があるため、クリーンルーム内での作業には注意が必要です。そのため、耐久性が高く、頻繁なメンテナンスを必要としない機種を選ぶことが重要です。たとえば、構造がシンプルなダイヤフラム型真空ポンプは、異物発生のリスクが低く、保守性にも優れていることから、クリーンルームでの使用に適しています。

ドライ真空ポンプのメンテナンス方法は、以下で詳しく解説しています。

クリーンルーム対応ドライ真空ポンプの製品事例

摩耗リスクを抑えたモデル

油を使用しない多段階ルーツ式空冷タイプのドライ真空ポンプで、大気圧から数Paまでの排気に対応しています。気体が通る経路には摩耗部品を含まない構造となっており、排出ガスに含まれる粒子やオイルミストによる汚染の心配がありません。クリーンルーム内で高い清浄性が求められる工程にも適しています。

参照元:東横化学株式会社
(https://www.toyokokagaku.co.jp/product/prod08/vacuum/002.html)

腐食性ガスへの耐性と安全機能を兼ね備えたモデル

腐食性ガスを扱う工程にも対応できるよう、内部構造に耐食性の高い設計が施されたドライ真空ポンプです。温度センサーや不活性ガスによるフラッシング機能を備えており、装置の長寿命化と安定運転を実現します。中負荷プロセスにおいても高い信頼性を維持し、低ノイズ・低振動により作業環境への配慮も徹底されています。

参照元:伯東株式会社
(https://www.hakuto-vacuum.jp/multi-stage-roots/)

静音性とメンテナンス性を両立したモデル

静音性に配慮されたドライ真空ポンプで、メンテナンス頻度を抑える設計がなされています。クリーンルーム(クラス1000)での使用にも対応しています。

参照元:(pdf)株式会社TAIYO
(https://www.taiyo-ltd.co.jp/kpl_jp/product/Catalogue/pdf/accessory/109.pdf)

クリーンルーム対応のドライ真空ポンプを比較しよう!

ドライ真空ポンプは、油を使用しないために清浄度の確保が重要なクリーンルームで広く使用されています。油煙による汚染リスクを避けられるのが、大きなメリットです。ただし、騒音・振動や保守性(メンテナンス性)に注意する必要があります。自社の設備環境に応じて、適切な製品を選定しましょう。

以下の記事では、ドライ真空ポンプの種類と特徴、おすすめのドライ真空ポンプを紹介しています。これらの記事も、製品選びの参考にしてください。

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【防爆・腐食性ガス・大流量】
現場条件で選ぶドライ真空ポンプ3選

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防爆エリア設置向け

アネスト岩田の
ISPシリーズ

ISP-250E

引用元:アネスト岩田公式HP
(https://www.anest-iwata.co.jp/products-and-support/vacuum-equipment/dry-vacuum-pump/isp-250e)

  • 防爆モーター搭載のカスタマイズに対応(ポンプ本体は標準仕様のため可燃性ガスの吸気は不可)
  • 大気と真空の繰り返し運転に強いスクロール式構造で、大気付近での連続運転にも対応
  • JALエンジニアリングのFRP成形現場での導入事例あり
腐食性ガス吸引向け

樫山工業の
SDEシリーズ

SDEシリーズ

引用元:樫山工業公式HP
(https://www.kashiyama.com/pumps/product/sde/)

  • 塩素系を含む腐食性ガスの吸引に対応し、半導体や液晶製造装置のハードプロセスで使用
  • ポンプ構造材に耐食材料を採用、温度設定によるデポジット対策にも配慮した設計
  • CVD・スパッタ・蒸着・エッチング・ALDなど多様な半導体プロセスに対応
大流量プロセス向け

大晃機械工業の
SDVシリーズ

SDVシリーズ

引用元:大晃機械工業公式HP
(https://www.taiko-kk.com/jp/vacuum/sdv/)

  • スクリュー式において世界最低速運転を実現するクインビー式(Queen Bee Screw)スクリュー採用
  • SDV-100の電動機定格は50Hz時18.5kW/60Hz時22kWで、大型装置・プラントに対応
  • 化学・医薬/自動車・電子部品/その他産業の業界別ラインアップが整備されている
さまざまな真空装置にフィットする スクロール型ドライ真空ポンプのメーカーに注目!

接ガス部だけでなく、各部にギアオイルなども使用していないスクロール型のドライ真空ポンプは、さまざまな使用環境に幅広く対応できるメリットをもっています。
このサイトでは、スクロール型の真空ポンプを扱っているメーカーを、サービスの多様さで比較しています。