スクリュー型ドライ真空ポンプのスクリューローターには短形とスパイラキシャル形、リショルム形などがあります。並行している2つのスクリューローターが、ケーシングの内壁やローター相互間にあるすき間を維持しながら回転することで、ローターとケーシング間に形成している空間が軸の方向に連続で移送。その吸気口によって、この空間に気体を吸入させ、排気側に送る過程で圧縮しながら移送することによって排気される仕組みです。
たとえばスクリュー式のドライ真空ポンプは、スパイラキシャル式スクリューローターの技術によって開発されたもの。3000.R.P.Mという低速単段で大気圧から到達圧力0.1Paまでレ速排気することができます。単段でインタークーラーが不必要で、かつ非常にシンプルな構造なのでメンテナンスがしやすく、凝縮ガス・腐食性ガス・反応生物などを廃棄するような化学工業、半導体プロセスなどでパワーを発揮できるでしょう。さらにEVトラップとの併用で真空ポンプのトラブル軽減につながり、メンテナンスの費用も削減できるといったメリットも期待できます。
主に半導体製造メーカーで多く使われています。凝縮ガス・腐食性ガス・反応生成物などを廃棄している化学工業などでも用いられることも。
スクリュー型ドライ真空ポンプは、大気圧から到達圧力0.1Pa台に至るまで、様々な圧力領域での連続運転ができ、安定的な性能が得やすくなっているでしょう。また低速運転にも対応できるため機械的な摩擦がほとんどなく、低騒音化・低振動化に繋がっています。
非常にシンプルな構造で、搭載している部品の数自体も少ないため、分解や組み立てが非常に簡単です。そのためメンテナンスも極めて容易でしょう。
特殊コーティングが接ガス部分に施されているため、優れた耐食性を発揮しています。そのため幅広い用途で使いやすい真空ポンプになっているでしょう。
EVトラップを併用することで、ポンプ内に溜まりやすいダスト滞留を予防することが可能です。そのためクリーンな排気を出すだけでなく、真空ポンプのトラブルも起こりにくい状態になっているでしょう。その結果、ロングライフだけでなく、メンテナンスの費用も抑えることに繋がっています。
生産力の自信があり、環境性能の高い真空ポンプを開発しているアルバック機工。スクリュー型ドライ真空ポンプ「MSシリーズ」では耐食性と粉体排出性を向上。腐食性ガスや粉体排気を伴う真空プロセスでの用途におすすめです。また「LSシリーズ」では、高速排気と低消費電力を実現。独自開発のスクリュー形状と省電力技術を採用しています。
半導体プロセスや研究機関への導入実績を多くもつ樫山工業。ドライ真空ポンプの開発に注力しており、耐プロセス仕様が得意。
スクリュー型ドライ真空ポンプでは「SDEシリーズ」をラインアップしており、高い耐食性を実現。独自のスクリュー形状を採用することで省エネも実現しています。オプションにて加温仕様やポンプ運転状況監視機能なども追加可能。
1949年に設立し、1951年には真空ポンプ機器や真空装置の製造を開始した神港精機。スクリュー型ドライ真空ポンプでは「SST/SSXシリーズ」や「SSHシリーズ」を開発しています。
SST/SSXシリーズでは独自開発のスクリュー形状により高排出性・高耐久性を実現しており、メンテナンス性が良好。SSHシリーズでは高性能DCBLモータの採用によって省エネ化を実現しています。
1956年に設立した大晃機械工業では、ドライ真空ポンプをはじめとした流体機器の設計・制作・販売を行っています。
スクリュー型ドライ真空ポンプではかぎ爪状のスクリューロータを採用しており、漏れ量が少なく異物を出しやすいのが特徴。使用するガスの液化や昇華、固着を防ぎ、低回転・低騒音・低振動を実現しているのも魅力です。
1950年に設立して以降、真空機器や真空ポンプの開発・製造・販売・メンテナンスを行っている会社です。ドライ真空ポンプでは「空冷式シリーズ」、「EcopositiVシリーズ」、「コンパクトシリーズ」があり、スクリュー型として「DSP251」「DSP501」をラインアップ。タイミングギアレス構造により軽量化を実現しているほか、低騒音・低振動・低消費電力も実現しています。