ドライ真空ポンプの中には、省スペース性に長けたものがあります。省スペースなドライ真空ポンプは限られた面積でも設置できるほか、コスト削減に役立つ製品が多いこともメリットです。また移設がしやすいことも優れた特徴と言えます。
このページでは省スペース性の高いドライ真空ポンプが求められる理由と、具体的な製品事例をご紹介します。
ドライ真空ポンプには省スペース性が求められることが少なくありません。省スペースのものであれば移設がしやすく、柔軟な運用が可能です。
設置場所が狭くても、省スペースのドライ真空ポンプであれば設置できるという場合も多いと考えられます。両サイドの壁付けが可能である製品もあり、ドライ真空ポンプを設置する場所がないと困っている場合にも有効な製品です。
省スペース型のドライ真空ポンプの中には、従来型の製品に比べてコスト削減効果が期待できるものもあります。動力が同じであれば、省スペースの方がコストがかからないことが多いようです。
アネスト岩田の「ISP-50」は、大気圧から到達圧力まで幅広い圧力領域に対応できる、スクロールタイプのドライ真空ポンプです。吸気・圧縮・排気の行程が連続しているためトルク変動を抑えられ、低振動・低騒音を実現。また、吸入室と排気室が隣接していない機構のため、漏れが少なく、高効率なのが特徴です。
荏原製作所が提供するドライ真空ポンプである「EV-S型」は、省スペースかつ省エネルギーであることが特徴です。ロータ設計とアイドリング機能を独自技術として備えており、スペースとエネルギーの削減率が高くなっています。またオプションで耐食性の高い材料を使用することもでき、ランニングコストを抑えながら長寿命化も期待できるでしょう。
「TRVシリーズ」は宇野澤組鐵工所の製品の中でも、特に省スペース性に優れています。ガス流路が上から下へと流れる仕組みになっているため、ガス、ミスト、液体が吐出口まで流下し、排出・回収が容易であることも特徴のひとつです。高温ガスの吸引もでき、温度上昇が低いなど、使い勝手の良さも見られます。
「小型ドライクロー真空ポンプ MINK MV 0040-0080 Syncro」は省スペースなドライ真空ポンプとしては珍しく、横長の形状となっています。しかし本体自体がコンパクトであり、設置面積を削減できます。また静音性に優れていることも特徴であり、騒音値が低いこと、脈動が少ないことから作業環境の向上にも役立つかもしれません。
ORIONの「ドライ真空ポンプ KCM310」は、真空度100kPaに対応しています。制御盤とインバーターを本体にパッケージングし、モータ出力は5.5kWです。省スペース性については、側面のメンテナンス部分が不要な仕様となっているため、両サイドを壁付けでき必要な面積を小さくできます。
ドライ真空ポンプはクリーンな環境を目指せる製品ですが、省スペースなドライ真空ポンプであれば省エネ性能が高く、さらに環境保全に貢献できるかもしれません。設置面積・コストともに削減できるため、企業にとってもメリットの多いタイプの製品であると言えます。