ドライ真空ポンプの騒音・振動対策

ここでは、ドライ真空ポンプの使用中に騒音や振動が発生する理由、これらの対処法を解説しています。

ドライ真空ポンプから騒音・振動が発生するメカニズム

ドライ真空ポンプから騒音や振動が発生する原因には、高速で動作する部品やモーターの影響が挙げられます。さらに、部品の劣化やモーターの故障などが関係している可能性もあります。

これらの場合は、騒音や振動が普段より大きくなる恐れがあります。ドライ真空ポンプが、正常に動作していないためです。同様に、ボルトの緩みなども騒音や振動の原因となることがあります。わずかな隙間が生じるためです。見逃してしまうことが多い原因のひとつと考えられます。

以上のほかでは、設置環境や運転条件にも注意が必要です。防振対策が不十分など、ドライ真空ポンプを正しく設置できていないと、騒音・振動が発生しやすくなります。設置が不十分だと周囲に振動が伝わりやすくなり、騒音発生の一因となります。

また、運転条件においても真空度や排気圧力が適正でない場合、騒音につながることがあります。また、負荷をかけすぎた状態での運転もトラブルを引き起こします。

これら以外の理由でも騒音・振動は発生するため、部品の状態、設置環境、運転条件などをひとつずつ見直して、原因を突き止めることが大切です。

ドライ真空ポンプの騒音・振動対策方法とは?

メンテナンスを受ける

騒音・振動の理由はさまざまです。部品の劣化や故障が原因になっていることもあります。まずは、メーカーによる点検を受けることが重要です。部品の劣化や故障が見つかった場合は、メーカー側から交換などの対応を受けられることがあります。トラブルが見つからない場合でも、症状に応じた対策の提案が期待できます。

制振シート・防音カバーの設置

ドライ真空ポンプには、制振シートと防音カバーを設置することで、振動や騒音を軽減できる可能性があります。制振シートは、ポンプから発生する振動が周囲に伝わるのを防ぎ、防音カバーは音の漏れを抑える役割を果たします。なお、制振シート単体での防音効果は限定的ですが、振動そのものが騒音の原因となるケースもあるため、防音対策の一環として有効です。

低騒音・低振動タイプのドライ真空ポンプを導入

騒音や振動を低減する構造を採用したドライ真空ポンプの導入を検討すると効果的です。内部構造を非接触にすることで騒音や振動を抑制する機種や、サイレンサーを搭載して音の発生を抑える機種もあります。

ドライ真空ポンプの騒音・振動対策方法を検討しよう!

ドライ真空ポンプの使用中に発生する騒音や振動には、さまざまな要因があります。高速で動作する機械部品、モーターの影響、不十分な防振対策、排気出量の上げすぎなどが考えられます。原因を見極めて、メンテナンスを受けたり、防音カバーを設置したりするなどの対策を講じることが重要です。

ドライ真空ポンプのモデルや機能について詳しく知りたい場合は、以下の記事を参考にしてください。

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食品製造向け

アネスト岩田の
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引用元:アネスト岩田公式HP
(https://www.anest-iwata.co.jp/products-and-support/vacuum-equipment/dry-vacuum-pump/dvsl-500e)

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宇野澤組鐵工所の
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KTSシリーズ

引用元:宇野澤組鐵工所公式HP
(https://www.unozawa.co.jp/product/dry/)

  • 到達圧力:≦0.08Paという半導体製造に適した真空状態を実現
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  • 水蒸気やミストといった小さな水滴もしっかり排出
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ドライ真空ポンプ

スクリュー式ドライ真空ポンプ

引用元:東製HP
(https://www.dryvacuum-pump.com/wp/wp-content/uploads/anestiwata_dvsl-500e_image.png)

  • 化学反応、蒸留操作などに適した環境生成のため、さまざまな圧力領域に対応
  • 接ガス部は耐食性ガス対策のため、特殊コーティングすることにより錆から守る
  • 化学物質や粉塵の発生を考慮し、少ない部品で分解・組立・洗浄が可能

※KTS030-H(ECOタイプ)最大排気速度:500L/m、到達圧力:≦0.08Pa(2024/5/24時点)

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接ガス部だけでなく、各部にギアオイルなども使用していないスクロール型のドライ真空ポンプは、さまざまな使用環境に幅広く対応できるメリットをもっています。
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