ドライ真空ポンプの選定時には、電源や排気速度、真空到達度などの性能をチェックします。またサイズも重要であり、大型と小型のどちらを導入するか迷うケースもあるでしょう。そこで、ドライ真空ポンプの大型と小型の違いについてまとめました。
排気速度の大きいドライポンプほど大型になります。たとえば排気速度が200L/min以上のものは大型として扱われるでしょう。なお、排気速度とは「容器内の圧力をいかに早く下げるか」という意味ですから、真空状態にしたい空間が大きい場合は大型ドライポンプを使用します。
なお、排気速度の大きい大型ドライポンプなら、適応可能な機器の目安以下の機器にも使用可能。ただし大型ドライポンプには広い設置スペースが必要であること、また重量があることなどのデメリットもあります。
小型サイズのドライポンプはコンパクトで計量であるのが強み。おもに排気速度が200L/min以下のものが小型タイプとして扱われているようです。小型タイプは大型タイプと比較すると当然排気速度は劣りますが、使用する機器で求められる排気速度を満たしていれば問題ありません。
小型タイプは設置スペースが少なくても導入しやすいのがメリットですが、用途に必要な排気速度を確保できるかどうかは注意しましょう。
大型と小型のどちらを導入するか迷う場合、設置スペースを十分に確保できるのなら大型ドライポンプの導入がおすすめです。大型サイズであれば排気速度も大きいため、短時間での排気が可能。大は小を兼ねると考え、あえて大型のドライポンプを導入することも検討してみましょう。
ドライ真空ポンプの大きさを選ぶときは、排気速度に注目しましょう。排気速度が大きいほどポンプのサイズも大きくなります。設置スペースが確保できるのであれば、性能面を考慮し大型タイプを導入するのもおすすめです。
なお、どのくらいの排気速度を必要とするかは、以下の計算式で求められます。
ポンプの排気速度(L/min)=真空槽容積(L)/排気時間(min)×2.3 log初期圧力(Pa)/最終圧力(Pa)
ただし安全率を見込み、とくに配管が長い・細い・曲がりがあるなどの場合は注意が必要です。
設置スペースなども考慮し、用途に合った排気性能をもつポンプを選びましょう。