ドライ真空ポンプのサーマルプロテクタ

ドライ真空ポンプの中には、「サーマルプロテクタ」が搭載されているものがあります。サーマルプロテクタは、ドライ真空ポンプ自体の過熱を防ぎ、保護する役割を果たすものです。
このページではドライ真空ポンプにおけるサーマルプロテクタの役割や、具体的な製品例についてご紹介します。

ドライ真空ポンプのサーマルプロテクタとは?

ドライ真空ポンプにサーマルプロテクタがついている理由

ドライ真空ポンプにサーマルプロテクタがついているのは、加熱からポンプを保護するためです。ドライ真空ポンプの温度が高くなりすぎると感知して、自動的に温度を下げてくれる役割を果たします。

加熱が過剰になると発火の恐れもあるドライ真空ポンプ。サーマルプロテクタがついていることにより、利用する際のリスクが軽減されます。

サーマルプロテクタの仕組み

自動的に温度を下げてくれるサーマルプロテクタの仕組みを、不思議に思われる方がいるかもしれません。サーマルプロテクタはドライ真空ポンプにおける、モーター巻線温度を計測します。

モーター巻線温度が一定以上になると、接しているところが自動的に切られます。するとモーターが停止する仕様になっていて、強制的にドライ真空ポンプの過熱を防ぐ仕組みです。

サーマルプロテクタ内臓ドライ真空ポンプの製品事例

【ULVAC】ダイアフラム型ドライ真空ポンプ DAU-100

ULVACのダイヤフラム型ドライ真空ポンプは、サーマルプロテクタを内蔵した高真空タイプ・3段階排気方式の製品です。シンプルな構造でメンテナンスが簡単なことが特徴であり、ターボ分子ポンプの補助として活用することもできます。

【ULVAC】ダイアフラム型ドライ真空ポンプ DTC-41

こちらもULVACの製品です。「DAU-100」との違いは、「DTC-41」はケミカルタイプであること、排気方式が2段階であること。有機溶剤や腐食性ガスの吸引に適した製品であり、大気圧からの作動が可能である。

【SIBATA】ドライ真空ポンプRocker300

オイルレスであるためメンテナンスが不要で、小型であることから使い勝手が良いのが「ドライ真空ポンプRocker300」です。持ち手つきで、携帯性にも優れるため現場を問わずに利用できます。サーマルプロテクタ内蔵であることに加え、吸引口にはフィルターカートリッジを装備し、真空レギュレーターもついている製品です。

過熱保護性能を上げるならサーマルプロテクタ内臓のドライ真空ポンプを検討しよう

ドライ真空ポンプにおけるサーマルプロテクタは、本体が過熱しないように調整する役割を担っています。一定の温度以上になると接する点を切断し、本体の温度を適切に保ってくれる重要な存在です。ドライ真空ポンプを取り扱っている各社からも、サーマルプロテクタ内臓の製品が数々提供されています。

しかしドライ真空ポンプ選びのポイントは、サーマルプロテクタが内蔵されているかどうかだけに限られません。性能やメーカーの対応力も必要です。またドライ真空ポンプにはさまざまなタイプがあるため、種類ごとの特徴を把握することも大切となります。

以下のページではドライ真空ポンプ選びに役立つ情報を掲載しています。どの製品を選ぶべきなのか迷っている方は、以下のページの内容を参考にして、自社に適したものを選んでください。

関連記事一覧
オイル不使用・幅広く使えるスクロール型
ドライ真空ポンプメーカー3選

▼横にスクロールできます▼

食品製造向け

アネスト岩田の
DVSLシリーズ

DVSLシリーズ

引用元:アネスト岩田公式HP
(https://www.anest-iwata.co.jp/products-and-support/vacuum-equipment/dry-vacuum-pump/dvsl-500e)

  • 排気経路内にベアリングが無いため、密閉性が向上し衛生面も安心
  • 真空状態でのネリが必要な製麺会社の要望に応えた実例あり
半導体製造向け

宇野澤組鐵工所の
KTSシリーズ

KTSシリーズ

引用元:宇野澤組鐵工所公式HP
(https://www.unozawa.co.jp/product/dry/)

  • 到達圧力:≦0.08Paという半導体製造に適した真空状態を実現
    ※KTS030-H(ECOタイプ)最大排気速度:500L/m、到達圧力:≦0.08Pa(2024/5/24時点)
  • スパッタリング装置、イオンプレーティング装置といった薄膜形成プロセスに対応
  • 水蒸気やミストといった小さな水滴もしっかり排出
製薬・化学品製造向け

東製のスクリュー式
ドライ真空ポンプ

スクリュー式ドライ真空ポンプ

引用元:東製HP
(https://www.dryvacuum-pump.com/wp/wp-content/uploads/anestiwata_dvsl-500e_image.png)

  • 化学反応、蒸留操作などに適した環境生成のため、さまざまな圧力領域に対応
  • 接ガス部は耐食性ガス対策のため、特殊コーティングすることにより錆から守る
  • 化学物質や粉塵の発生を考慮し、少ない部品で分解・組立・洗浄が可能
さまざまな真空装置にフィットする スクロール型ドライ真空ポンプのメーカーに注目!

接ガス部だけでなく、各部にギアオイルなども使用していないスクロール型のドライ真空ポンプは、さまざまな使用環境に幅広く対応できるメリットをもっています。
このサイトでは、スクロール型の真空ポンプを扱っているメーカーを、サービスの多様さで比較しています。