ドライ真空ポンプの選び方
~4つのポイント~
ドライ真空ポンプの選定には、ポンプが持つ特徴を理解し、必要な真空到達度や排気速度、さらに作業環境を改善する低騒音性など、求める性能を細かく比較しましょう。
このページでは、様々な用途に最適なドライ真空ポンプの選び方を詳しく解説し、効率的かつ効果的な現場を実現するための知識を提供します。
使用用途
ドライ真空ポンプは、各社メーカーで多様な種類が展開されています。
特にベーン型真空ポンプは吸着・搬送機械に多く用いられ、その動作の効率性が評価されています。
ダイアフラム型は、低維持費とメンテナンスの容易さから、ろ過プロセスや真空チャックに適しています。
スクロール型やルーツ型は、その高い到達圧力を活かし、分析機器や漏れ検査に最適です。
それぞれのポンプタイプの持つ特徴と、使用される場面を理解することで、現場に的確な機種選定が可能です。
真空到達度
真空到達度はポンプ性能の重要な指標であり、Pa(パスカル)、Torr(トール)、mbar(ミリバール)で表示されます。
数値が小さいほど高い真空度を示し、そのポンプが高性能であることを意味します。ドライ真空ポンプは製品ごとにこの到達度が異なるため、使用目的に応じて適切なモデルを選ぶことが重要です。必ずメーカーへの確認し、具体的な用途に合わせた選定をしましょう。
排気速度
排気速度は、真空状態への到達速度を示し、L/minで表されることが多いです。
この性能の数値は、真空を必要とする場所の大きさや構造、配管の設計に大きく影響されます。
高い排気速度を持つポンプは、大気圧から真空状態へ迅速に移行することが可能ですが、その選定には慎重な計画が必要です。試運転を含むメーカーとの密接な連携が望まれます。
騒音値
近年、ドライ真空ポンプの技術革新により低騒音モデルが増加しています。作業環境での騒音は大きな問題となるため、ポンプの騒音レベルに加えて振動レベルも考慮することが重要です。
低騒音で振動の少ないポンプは、長時間の運用においても作業者の負担を減らし、快適な作業環境を提供します。
オイル不使用・幅広く使えるスクロール型
ドライ真空ポンプメーカー3選
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食品製造向け
アネスト岩田の DVSLシリーズ
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引用元:アネスト岩田公式HP (https://www.anest-iwata.co.jp/products-and-support/vacuum-equipment/dry-vacuum-pump/dvsl-500e)
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- 排気経路内にベアリングが無いため、密閉性が向上し衛生面も安心
- 真空状態でのネリが必要な製麺会社の要望に応えた実例あり
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半導体製造向け
宇野澤組鐵工所の KTSシリーズ
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引用元:宇野澤組鐵工所公式HP (https://www.unozawa.co.jp/product/dry/)
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- 到達圧力:≦0.08Paという半導体製造に適した真空状態を実現
※KTS030-H(ECOタイプ)最大排気速度:500L/m、到達圧力:≦0.08Pa(2024/5/24時点)
- スパッタリング装置、イオンプレーティング装置といった薄膜形成プロセスに対応
- 水蒸気やミストといった小さな水滴もしっかり排出
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製薬・化学品製造向け
東製のスクリュー式 ドライ真空ポンプ
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引用元:東製HP (https://www.dryvacuum-pump.com/wp/wp-content/uploads/anestiwata_dvsl-500e_image.png)
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- 化学反応、蒸留操作などに適した環境生成のため、さまざまな圧力領域に対応
- 接ガス部は耐食性ガス対策のため、特殊コーティングすることにより錆から守る
- 化学物質や粉塵の発生を考慮し、少ない部品で分解・組立・洗浄が可能
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さまざまな真空装置にフィットする スクロール型ドライ真空ポンプのメーカーに注目!
接ガス部だけでなく、各部にギアオイルなども使用していないスクロール型のドライ真空ポンプは、さまざまな使用環境に幅広く対応できるメリットをもっています。
このサイトでは、スクロール型の真空ポンプを扱っているメーカーを、サービスの多様さで比較しています。