本記事ではドライ真空ポンプに搭載されていることがある「ガスバラストバルブ」について解説します。ドライ真空ポンプの導入を検討されているなら、ぜひ導入前の参考としてチェックしてください。
ドライ真空ポンプにおけるガスバラストバルグには、水蒸気・溶剤蒸気によって発せられる凝縮性ガスを吸引する役割があります。通常であれば凝縮性ガスはポンプの中で圧縮・加圧された後に液体になり、ポンプ油の中に混ざります。ポンプ油の中に混ざった液体化した凝縮ガスはポンプの中を循環しますが、その際に油の潤滑性がなくなることから、シャフトシール部分の劣化が促されます。
しかしガスバラストバルブを使用すると、凝縮性ガスは液体化されず、気体のまま空気や乾燥窒素とともに外へと排出されます。ガスバラストバルブを使用すると「ガスバラスト効果」が起こり、凝縮性ガスを抜けるようになるためです。
多段ルーツ式の空冷型ドライ真空ポンプであり、真空型へのオイルバックがないためクリーンルームに使用できる製品です。シリーズ内では3種類の製品が展開されていますが、いずれもポンプの中で凝縮性ガスが凝縮・液化されたとしても、ガスバラストバルブからの外気導入で、水分を排気させられる使用となっています。
参照元:(PDF)東横化学株式会社「真空機器ドライポンプ TYK37-ACP-05 2020/6」
(https://www.toyokokagaku.co.jp/product/pdf/catalog_tyk37_acp.pdf)
ヤマト科学株式会社の空冷式ドライ真空ポンプは、水分・腐食性ガスの吸引と排気に適した製品です。腐食性ガスに対応できるように特殊フッ素シールである「ガスケット」が装備されており、ガスバラストバルブによって水蒸気排気性能が高まっていることが特徴です。半導体や化学など、さまざまな分野で使用できるとされています。
ただしシリーズ内での「N2バラスト」はオプション扱いとなるため注意してください。
参照元:ヤマト科学株式会社HP
(https://www.yamato-net.co.jp/product/show/pk1000-2/)
ドライ真空ポンプはよりクリーンな環境を実現できます。以下の記事ではドライ真空ポンプのタイプやメリット・デメリット、製品の選び方などについて解説しているため、ドライ真空ポンプの導入を検討している方はぜひチェックしてみてください。